スーパームーンと紙の月

 

ちょっと遅れた内容ですみません、
先週の月曜は

スーパームーンでした。

去年の今頃までは窓から何時でも月が見えていたので
外に出なくても雨や曇天では無い限り見れてたのです。

今年からは窓が全部北西か西なので、まず見れません。
(早朝の月は見れますけどね)

それでわざわざ9時過ぎに表に出てみたら、いつもより大きめの月
がぽっかり。・・・ナンダ、それほどでも無い。聞くところによるとフラ
ンスの緯度だとこの程度だとか。まあ、見れただけれもいいです。

スーパームーンだったから、では無いのですが、先週のこの14日と
15日で映画「紙の月」を観てしまいました。やっと、です。

実はこれ、ちょうど2年前に公開されてたのですね、なんたる偶然、と
言うか、私って結構こんなこと多いんです。小説なんか偶然読んだ
時期などが小説の舞台と一致していたり。

2年前はネットなどでも宮沢りえが7年ぶりに出た映画とか何たら
で話題になってたので、いつかは観たいと思ってたのですが
すっかり忘れて・・・、今になってしまったのでした。

半端じゃないきれいさと劣化ぶりの相克

 あらすじはもう皆さんご存知でしょうし、あれだけ話題になって各賞を
総ナメにした映画なので、ググれば一杯出てきますよね、今更紹介
なんて野暮はしません。

一番の見ものはやはり主演の宮沢りえ。30代も半ばを過ぎ、銀行勤務
で薄化粧が鉄則のせいか、欠点がよく見え髪もどこといって取り柄の無
いショートカット。もう少し考えて吉瀬美智子みたいなカットにしておけば
もっとぱっとするのにな、と思ってしまうほど<ダサい>。
しかしながらやはり地がきれいな女性、演技力もさることながらこれを
全身で表現してくれるのです。
宮沢りえってこんなに地味だったんだ、という見事な化け方。メーキャップ
のおかげでもあるんでしょうね。

DVDのカバー写真のりえさんは映画とは違っていつもの宮沢りえですね。

映画の感想批評は数あるレビューに大方同意するので時間のある人は
そっちを見てもらってもいいのですが、個人的に感じたことが二点。

 

 女メフィストフェレス

一つは主人公に更衣室で軽ーい調子でおしゃべりし、上司との不倫も
ぽっと打ち明けてしてしまう小悪魔的な若い同僚に元AKBの大島優子。
しまいには故郷の公務員とさっさと結婚して挨拶もせずにちゃっかり
寿退社してしまうのですが、まさに女メフィストフェレスの<風格と貫禄>。
結構よかったですよ、彼女。

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りえさん、ファウストの様に彼女の吹き込みにも刺激され、次第に
自分の内に潜む欲求に手を染めて行くのです。この欲求とは
初めは池松くん扮する大学生との逢引が主目的では無く、彼女
の考えによると困っている彼を助けてやりたい一心の人助けな
のでしたがそこからやがて底無し沼に落ち込んで行くのです。

なんで歯止めが効かないんだろう?と思いませんか?

感覚麻痺に陥るのです

そこでもう一点は最初に営業帰りにデパートのC化粧品コーナー
で(映画ではばっちりメーカー名が映ってましたね・・・)3万円だか
4万円だかの化粧品を巧みに売りつけられ、お肌の劣化も気に
なっていたのでしょうかほぼ全部購入してお財布の中身が不足し
ているのに気づき思わず預かった現金の一部を使ってしまう場面。
すぐにATMで自分のお金を下ろし、返すのですが、この一件
から次第に拡大して行き、偽の預金キャンペーンを顧客に紹介して
預かったお金を高級ホテルでの豪遊や高級車、はては池松くん
の為にマンションを借りたり新型MACを買ってあげたり・・・。

何千万円もの大金を当たり前の様に使いながら、それでも止めら
れない、きっと最終的には彼女の中では金額の桁が3つほど省略
されてしまってたのでしょう。額の大きさに麻痺してしまうんです。

これって結構誰にでもある事なんですよ。昔、日本で派遣社員を
していた頃(やっぱりザ・90年代の世紀末でした)派遣先企業の
一つがなんといわゆるマルチの会社。そこでは当たり前のように
会員が商品代金の支払いに持って来た分厚い札束が連日行き来し、
レジにあふれる一万円札が2,3枚落っこちたのをほんとうにただの
チラシか何かの紙切れみたいにつかんで戻す、って事を繰り返して
いました。仕事先では札束を見ても<ただの紙の束>としか感じら
れなくなり、タイムカードを押して帰宅した後、自分のお財布の薄さ
を見て現実に戻る、そんな毎日でした。

当時の様子:

私はその最前線の来客カウンターで働いていたのですが、
毎日目前に並ぶ待ち行列を捌くことで1日が終わり、
その後も事務処理で連日残業の日々でした。残業代はき
ちんと出たので、儲かったのは事実です。
時には真夜中近
くになったことも。もちろんタクシー代は全額出ました。

当初はクレジットカードがまだ使えず現金商売でしたので
会員が支払った現金が半日経たずしてレジに山盛りになり、
万札の束に次第に無感動になっていった現実離れした世界
でした。

そこで私と同じように働いていたのは9割方派遣社員でした。

お客さん(会員)は皆持ってくるお金以上に稼いでいる人達
ばかりでした。実際に国産ですが高級車の新車をキャッシュで
購入していたり・・・。

そんな桁ハズレの収入には魅力を感じなかった、と 言えばウソ
なります。でもそこの会員になるというのは当然ですがやって
行く自信無かった。

・・・そして1年後、
派遣社員としての契約が終わり、その会社、そして大量の現金
を取り扱う日々とも縁が切れたのです。

 

<普通の感覚>から逸れたドラマ

主人公が最初にやる”他人のお金を使う”、なのですが皆さんも一時
預かったお金で足りない分を立替て、すぐ戻した事ってありませんか?

たとえばお母さんやお父さんから他の用途の為渡されたお金とか、
部活でみんなから集めた費用の中から一時借りていたとか、
思い出せば結構あるのでは?

本当に即戻しているなら、単に手元に自分の持ち金が足りなかった
ので借りる、のです。すぐ返すあてがあるから瞬時的に他人のお金
に手をつけても正当化出来るしそれは泥棒や横領の範疇には入ら
ないと思います。これって結構普通にみんなやっているのでは?

しかしこの映画の主人公はエスカレートして行くんですね。見ていて
なあんでやっちゃうの?って気になりました、当時最先端のカラー
プリンターを購入してかなり細かい作業で嘘のチラシの細工まで
やってしまう、その異常性を描くのが製作者側の目的だったようで
原作と違い浮気相手の池松くんは話の展開に必要な役割だけ
だったようです。

さらに原作に無い行内の描写が多く、対照的な二人の同僚、厳格
なお局と若くて奔放で結局腰掛けだった女の子行員との絡みも
見もの。
いかにも<日本の会社の雰囲気>があって、どこか懐かしかった
ですね、私的には結構面白がってました、これ。

しかしここまで思い切って転落して行くなんて、やはりドラマだな。
大金使うんならきちっと自分のお金でやりたいですね、出来そうに
もない希望だけど。

付け加えると主役が宮沢りえだからおしまいまで息もつけずに観れ
たと思います。本当にいい女優さんになりましたね。

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