マクロン vs ルペン、新大統領はどちらに?

昨日行われたフランス大統領選挙(第1回)は予想通りの結果でした。
また今回世論調査の通りの結果となり、調査の信憑性が立証されたようです。

日本でもすでに即日報道されましたが、決選投票に進むことになった2名は
無所属(オン・マルシュは現時点では政党ではないため)のマクロン候補と
極右政党のルペン候補。

 

 

紺色・・・極右 ルペン
グレー・・中道無所属 マクロン
ブルー・・中道右派 フィヨン
赤・・・・極左 メランション

これは県ごとの投票結果の色塗りですが、
東南方面から国境を超えてやって来る
違法移民が多い地域にルペン支持が多い
ことが明白ですね。

画像引用:https://www.lefigaro.fr

 

こちらは各市町村ごとに細分した地図ですが、
県単位の分布とは異なる分布になっています。

驚いたことに大きな街などはルペンの勢力ってそれ程でもないのです。第2位どころかそれ以下、どうやら地方の田舎の方に支持者が多い様です。
私の住む田舎都市では1位はルペン、マクロンは
なんと極左のメランションに負けて3位になって
しまったのですが、ここは生活保護を受けて暮らす
層と保守的な高齢者が多いことから来る結果なのでしょう。
ちなみに同じ様にリタイア層が多いニースでは順位はフィヨン→ルペン→マクロン。くっきり差が見えてます。
金持ちの味方フィヨンが勝つとはやっぱりリッチなコートダジュールです、か。

それにしても今でもフィヨンに投票する人がいるのはちょっと驚きですが、
フィヨンの政権が富裕層に優位になることを信じて疑わない人、そして
フィヨンのシンパがやってるんでしょうか。
ちなみにパリでも郊外ヌイイやブローニュ、サンクルー、パリ7,8区16区など富裕層の
多い西部は軒並みフィヨンが勝ってます。

フィヨンは撃沈

しかしやはりダーティなフィヨンは全国集計で撃沈、全国投票結果は極左のメランシ
ョンとほぼ同等の得票数でしたが、落ちに落ちたものです。
所属政党内では選挙に負けたのは彼の責任だと言う意見がぼこぼこ出てきましたが、
ここはもともと結構腐っていたので、フィヨンの件も数あるうちの一個なのでしょう。
中道右派の面々の中にはやっぱりねと言っている人もいるでしょうがこの後の議員
選挙に向け起死回生を目指して動き始めているのだと思います。

さて、フランスでは投票の際は筆記用具は使いません。候補者名が1枚ずつに印刷
された紙と封筒をもらって、投票用ボックスに入り投票する候補の名前が書かれた
紙をその封筒に入れて投票箱に投函する、あるいは近年導入が始まったタッチパネ
ル式の投票マシンで投票します。この記事のトップ画像がそのタッチパネル画面の
見本です。

流石に最新式機器はコストがかかることもあり、まったく普及はしていません。
ほとんどが昔ながらのやり方ですが、マクロンの支持者が多いパリ15区の
ある投票所では候補者名の紙を入れる封筒に”ペネロプへ”と書いた50ユーロが
入っていました。

結構なジョークですが、私ならやっぱり10ユーロぐらいにしておきますね。
これを見た人たちの反響には
「この50ユーロは食べるものにも事欠き住む家もない人たちのために使うべきだ」、
とか
「この後におよんでフィヨンに今だに投票するやつがいるとはびっくり」
(注:ただしこの封筒を入れた人が誰に投票したかは不明です、白紙投票かも?)
などもっともな意見の他、
「今こそルペンを応援するべき」
とかいうルペン支持も混じっていました・・・・・。

マクロンが勝つ??

さてマクロン候補、元社会党なのですが今のところ政党には所属せず、都市の
中流層を中心に支持を集めています。もしも私に投票権があればやはりマクロン
に一票を入れたことでしょう。
マクロンの本拠地は15区市役所からそんなに離れていないところ、高級でもなければ
庶民的すぎるのでもない、普通の人達が暮らす地区。実は私のパリ時代の住居からも
近くて親近感が湧くのですよね。

社会党政権経済相の座から飛び出して大統領候補に手を上げ、経済オンチと言われる
ルペンではなく、20代~40代ぐらいの普通の会社員やそしておそらく個人起業家にも
人気を集めている様です。パリでも西部や北部を除く都市中流層が多い地域で軒並み
勝利している他、やはり勤労層が多いリヨンやそして不法移民が比較的少ないフランス
西部で支持を集めています。
逆に言えばルペンは大量難民移民があるから今の地位に上れたのだと。

マスコミやネットではすでにマクロンが勝利するものとする報道や書き込みが
かなり見られますが、さて2週間後は誰が大統領の座に座るのでしょうか?
私達外人はやはり極右大統領が誕生すると色々と不都合が出て来るはずなので
ルペンさんはやっぱり応援できませんね。経済政策も不安だし、おかしな難民が
来ないのはいいけど、これまた不況になったらどうするの??

これも革命の一種なのだろうか

ここでフランスの政党について少しご説明しますが、これまで2大政党、保守系の
共和党(日本で言えば自民党に近いでしょうか)と左派の社会党(社会民主党みたい
なものでしょうか?)が伝統的に常に選挙で張り合って来ました。社会党ミッテラン
政権が14年も続いてしまった後はほぼ保守系が政権にあったのですが、2012年に
31年ぶりに社会党候補が勝利して今に至っています。

他に右翼左翼ともに極右、極左と1つずつあって当選の可能性はは遥か遠いものの、選挙
に色どりを添えていたのですが今回2大政党がスキャンダルや人材不足でどちらも敗退、
決戦が新興勢力中道無党派のヤメ経済相マクロンと極右ルペンとの一騎打ちに決定、
これまでのフランス選挙には見られない有様になりました。

この顔合わせ、世論調査の予想通りだとする向きは多いのですが、つい半年前までは
考えられもしなかったのです。

元は選挙運動中に発覚したフィヨンの汚れた札束が巻き起こした結果なのですが、
このスッパ抜き、<ペネロプ・ゲート>(70年代アメリカのニクソン大統領の事件を
もじって言われています)の顛末、そしてもしかしてスッパ抜いたジャーナリストの
個人名も後世には公に語られる様になり歴史に残る変革になるのでしょうか。

フランスでは18世紀から19世紀にかけて何度も<革命>が起こりましたが、もし
弱冠39歳のマクロンが当選すれば前代未聞の30代の大統領が誕生することに
なります。
今回の予想だにされなかった選挙模様、これもフランスに於ける革命の一つだと言い
切っていいのかも知れません。

やっぱり革命、本人も意識

6月13日追記

マクロン大統領は実際に”革命”という本を出していますが、結構なベストセラーにもなっています。しかし中古と新品でこれだけ値段の差が出来るのですね。
”Révolution” 本のお値段一覧

タイトルとURLをコピーしました