フランスの所得申告はセルフサービス方式

*今年来た所得申告通知書。2016と大きく書いてあるけれど2017年に提出するものです。

曇り→晴れ→雨→???と目まぐるしいお天気の下、新大統領の引き継ぎ式も無事終わったのですが、さて5月半ばの現在はフランスでは一般に所得申告の季節であります。
これは国籍が外国籍の人達ももちろん、みんなが行う必要があるのですが、日本と違ってサラリーマンでも全員自分で税務署に申告、その後税額が通知され申告した所得金額に値する税金を納めることになるのです、つまり所得税は後払い。

2017年の現在、日本の様に総務の給料担当がしっかり計算してくれて給料支給時に天引きする源泉徴収制度はありません。

それでフランスでは全員日本で言うところの<確定申告>を行うことになっていて、毎年5月から6月がそのシーズンになっています。

<自己申告>だったのよね、おっそろしい話

毎月のお給料から天引きされないのはとりあえずの手取りが増えていいな、と思う向きもありますが、翌年には所得とそれぞれの事情に合った控除や免除が加味されて決定された税金額を絶対に支払うことになるので、それを考慮に入れて置く必要がありますね。

私がフランスに来た頃はまだまだ行政の情報処理が遅れていて、申告書は自分で前年1年間にもらった給与総額を自分で手書きで記入することになっていたのですが内心、これってごまかす人もすごく多いのでは?と思っていました。
何万人もが一斉に申請書を送って来る訳なので税務署もチェック仕切れないのも多かったのでは?と今でも疑っています。それにフランスの公務員がそんなにもきちんとチェックしているとは思えないし。

しかしそれが数年して、(サルコジ大統領の頃)税務署から送られて来る申告用紙に前年度の給与総額がもれなく印字されて来るようになったのでした。

「オー、手間がかからなくなった、よかったね」

と思っていましたが、それまで企業の給与部門担当(または給与明細作製代行会社)がおカミに自分が面倒見ているサラリーマン達の給与額をまとめて申告する制度すら無かったのであることに改めて気づいたのでした。
(この辺ってワタシ的にはフランスは遅れてると思えてました。)

ちなみにフランスでは小規模な会社では経理部署はあっても給与計算と明細作成は代行会社に依頼しているところが多いのですが、こんな明細をもらったことも。

「代行会社を変えた途端給料ゼロ。赤字なのはわかってるけど切ない・・・」

なんぼなんでもこれは無いだろと信じられなかったのですが作成会社がシステム上の数字をならした処理だったようで後で正式な明細をもらいました。でもよく平気で こんなの出してくるよね。どっきりものでした!

全員ネット申告への道

さて、数年前から税金はネット申告も出来るようになったのですが、これがフランスの事でなかなか普及しなかったのです。みんなやっぱり紙の申請に固執してました。

「ネットでやっても後で税務署の連中がデータを間違えて更新したり、元々のコンピュータプログラムミスとかもあるかも」

ってことなのか、単に新しい方法を取り入れたくないのかわかりませんが、日本と違ってなかなか新しい方法って馴染みにくいのがフランスです。
そこで、なのか知れませんが2016年から収入の多い層から段階的にネット申告が義務化されていて、2019年分からはネット申告のみになります。
PCがない人でもスマホアプリが既に開発されているのでこれを利用する事も出来ます。
が、操作が出来ない高齢者などはおそらく税務署のPCでヘルパーさんに教えてもらいながらの申告になるのでしょうか。

我が家でも昨年度からネット申告をしていて今年の分は先週早々と済ませましたが、なにせ年1回の事、しかもそれほど頻繁に税金サイトにはログインしないのでちょっと戸惑いながら申告を終えました。1回申告をしても最終的な締め切り日までは何度でも訂正出来るというのは便利ですね。ちなみに年金や手当受給者も同じ申告方法です。

ネット申告デビューには?

初めてネット申告する場合はまず税金サイトに入り、自分のアカウントを作成しないと行けないのですが、それには今年送られて来た税金申告用紙にある納税者番号とアクセスコードを入力、次に何を入力するかというと名前やパスワードでなくてなんと昨年の税金の額なのです。

これはもちろん自分のアカウントがまだ無いので画面からは出せないし、今年の申告用紙にも書いてありませんので、タンスや本棚の中をひっくり返して書類を探し去年支払った一昨年の所得に対する納税額を見つける必要があります。なかなか見つからないと結構焦ります。こんなアカウントの作り方って聞いたことが無いのですけれども何かの意味があるのでしょうか。

そしてログインしてもそこで小さなウィンドウが真ん中に開きます。 の項目には全てチェックボタンが自動で緑色になっているのですがこれはかいつまんで言うと
「私はペーパーレス処理を選択するので今後は書類は送ってもらわなくて結構です」
という事なのです。
郵送のお知らせが不要な場合はこのままvaliderボタンを押してもいいのですが、我が家ではやはり不安なので全てチェックをはずし(ボタンを緑からグレーに変えます)右角の☓を押してウィンドウを外して逃げています。ログインの度にしつこく同じ画面が出ますがわかってない人やうっかりさんはすぐ、validerを押してしまうはずなので、要注意ですね。

源泉徴収に変更は延期の線が濃厚

実は2018年1月から給料天引き源泉徴収(Prélèvement à la source)に切り替わる決定が去年されていたのですが、オランド氏の再出馬が無くなり当時この計画に乗り気では無かったマクロン経済相が今度は大統領になってしまったので多分この改革の実施は若干先送りになるとおおっぴらにささやかれています。
*2017年6月7日、やはり正式に1年遅らせ2019年1月からの導入が発表されました。
なるほど準備とか
色々有りますからね・・。

でも実施されても相変わらず現在と同じ所得申告は残るとのこと、要するに自分で支払うか天引きしてもらうかの差なのです。

「うん?これは取りっぱぐれを無くすため???」
今だって税金申告をネットでする時は引き落とし用に銀行のIBAN番号の入力が必須なんですけれどねえ。

しかし遅かれ早かれ源泉徴収になるのは確実なのです。ちなみに欧州では現在源泉徴収していない国はフランスとスイスだけだと聞きましたが日本式に天引きの方が家計予算を立て易いとは思いますが、天引きになった暁にはおそらく人々の意識にはまた混乱が生じるのでしょうね。

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